「進しゃん…なんで伴ちゃんに東京行き進めたとですか?エライ目に逢うことくらいわかっとったでっしょ?」
「……。恵理ちゃん、男はね、初めっから男やなかよ。男に“なる”もんたい。うまかモン作る料理人ならなおさらばい。あいつは料理されないけん。火と水、オリーブ油と香辛料―それもとびっきり上質のヤツで!ものすごお悔しか、とか。あいつにだけは負けとうなか、とか。そげな気持ちがないとダメったい。」

小学館の漫画「バンビーノ」の一場面である。大学を途中で休学し、東京・六本木の人気イタリアン「バッカナーレ」で働き始めた主人公・伴省吾(=バンビ)。将来の夢はもちろん、「うまかモン作る料理人になること」。


地元の小さなイタリアンレストランで働いていた時はいっぱしの料理人だった伴だが、規模も料理人の質も全てのものが最高級のバッカナーレでは、いっぱしの料理人どころか足手まとい扱い。大量のオーダーをさばき、一分一秒を争って一日に何百もパスタを作ることなど伴は経験したことがなかったのだ。もつれる足。まとまらない思考。周りの料理人の仕事の速さ。それに比べて露になる自分の仕事の遅さ。その全てが相重なって焦り過ぎた伴は、自分の指を包丁で切ってしまい、「病院へ行け」と言われ戦線離脱させられる。


やりたいのに体が付いていかない。

頭が付いていかない。


調理場の喧騒から離れて、病院で心を落ち着けた時には、もう伴には気力が残っていなかった。

「もう福岡に帰ろうかな・・・・」


落胆したバンビが取った行動は恋人である恵理に電話をすることだった。だがいざ電話をしても伴は言葉に詰まってしまう。今弱音を吐こうとしている自分が情けなくて仕方なかったのだ。その沈黙を察した恵理は一言だけ優しい声をかける。

「・・・・・よかよ。帰ってきても」

そこまで言われたとき、自分がいかに情けないことをしていたかを伴は悟る。

「俺はなんて情けないことをしてるっちゃろか!弱音ば吐いて!このまま負けられん!福岡でも小さなイタリアンレストランでもない、この東京の最前線で絶対に生まれかわっちゃる!」

伴は走る。己を突き落とした戦場に再び戦士として舞い戻るために。

その電話の後に、恵理が「東京に行ってこい」と言った張本人であり、伴の師匠でもある進と問答するのが冒頭の場面である。

この場面では「目標を持つということはどういうことか」ということを考えさせられた。この言葉を解釈するなら「上を目指すなら、自分や他人との摩擦は避けられない」という意味だと私は考える。
 
誰しもうまくいかなかった経験などはあるだろうから、その時を思い出してみよう。

スポーツをやった。どうしてもレギュラーになれない。

勉強した。どうしてもアイツみたいに応用が利かない。

就職した。どうしてもあの先輩みたいに体と頭が付いていかない。

「上を見る」と、こんな風に今の自分の欠点や短所という、「最も見たくないもの」が露になる。そこから逃げ出してしまいそうになるだろう。

しかし、逆に考えてみれば、今きつい思いをしていたり、自分の欠点に辟易しているということは、「目標や夢をしっかり見定めている証拠」といえないだろうか。上を見ているからこその痛みなのだ。そう考えると今の自分の欠点は「夢への切符」だと言える。

目標が高ければ高いほど、目的地は遠いもの。けれど、もしあなたが毎日苦しんでいたり、悔しい思いをしているとしたら。

それは夢に対して向かっているだけということだから落ち着いてじっくり腰を据えよう。

毎日毎日進む速度は各駅停車という鈍行かもしれない。

その遅さにイライラするかもしれない。

だが、向かっているからには絶対たどり着く。

早い時期に成功したかどうかなんて関係ない。


成功するまでやり続けた人が成功者なのだから。





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